無縁塚ととんぼと私
こしごえ

無縁塚の苔は
そのままにしておいた
今年も
無縁塚のある林の中で
無縁塚の周りの
草刈りと掃除をした
8月の上旬のことだった

人との縁
物事との縁
氷菓子をすっと頂く
夕方前に
とんぼたちの翅はお日さまの光を反射している

どの道
いつか
縁は切れる
色々とあってね。
でもさ
無縁塚とこうして縁が出来た私
縁て不思議ね、と
とまったとんぼが首をかしげる
永遠はいつから永遠なのか始まりも終りも無い

そもそも、永遠なんてあるのか
永遠を生んだのは何なのか
全ての次元が終わることはあるのか
氷菓子をすっと頂いた
私の夏は終わる
今回も
秋が始まり冬になって春
でもさ
同じ時は二度と無い

無縁塚の苔にとんぼがおりた





 ※ 初出 2023.08.29 日本WEB詩人会


自由詩 無縁塚ととんぼと私 Copyright こしごえ 2024-03-15 14:25:09
notebook Home 戻る  過去 未来