水守
レタス

水晶にろ過された水ほど美味いものはない
ある天竺の行者が言った
彼は24日間水だけを飲んでいた

それを知るために20年の歳月を費やした
誰に指図をされた訳じゃない
ただ行者の言ったことを証明するために
雨の日も風の日も全国の名水を巡礼し
水を舌で分析した

火山岩の水はほんのりと酸く
森の水はほんのりと土の匂いがする
人工的に作られた超純水はピリピリと舌を刺す

やっと見つけた水晶の水を
ぼくはただそっと見つめるしかない



           初出 日本WEB詩人会 2024/03/13


自由詩 水守 Copyright レタス 2024-03-13 00:46:14
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