いいんじゃないでしょうか
秋葉竹
いけると想って
いこうとする崖っぷちで
立ち止まらない
それが大事
残酷な太陽に弄ばれる
三月の未来がみえる
なにも残らない枝先に
硬い蕾があって
はるかに遠い青空の白い雲に
向かって大きな声で
叫んでいる
ふりをする
ふりをするだけだ
失ったものは無数にあり
得たものは人差し指の爪で刺してしまう
風だけが
頬を撫ぜる悲しみも
失ったからって
すぐにバレる嘘をつく
運命を避けられないのは
みんな
そうだよ?
だから
硬い蕾のままで誓った
こちらからさようならなんて
なにがあっても
云わないよ?
なにを失っても
なにも消えたわけじゃないから
まるで震えるように
揺れている虹を
青空にみつけられたしあわせ
闇つづきの心さえ
浅い光を浴びせてくれるから
水浸しの泣きそうな喜びを
そっと味わっていたいよ
どこへゆくのかがわかっていれば
どこへゆく必要もないでしょう?
降り積もる骨の粉だけが
忘れたこともないあのふるさとまで
連れていってくれるのかもしれない
いつ
生きても
いい?
いいんじゃないでしょうか