頭が煮つまったときにこころみる詩薬
菊西 夕座
声
にもうすぐ会えるところまで来た角で、
呼びとめたのは、
声
だったから、
ふり返って思わず
声
をだしてしまった
平熱からの逸脱線、
超え
たのはいつだったのかと、
ボケの植わった庭をみつめる
小枝
は答えるかわりに
足もとにまで花をのばした
紺へ
とかわる空の額がちかづいて、
高炎なる熱をしずめてくれた
越え
てはいない角のむこうがわから
弧をえがいてかえる鴉たち
公園
で待ち合わせた約束が、
公平
に
釣り合う
シーソーあそび
の
声 と 声
の
チューする静止
テッペン
の の
ま す
た み
あ で
支点となってよんでいる、
大丈夫より
もっとたしかな
天丈夫。