少年
レタス

陽に焼けた褐色の肌を晒した少年は
海の深さを恐れずに
コバルトブルーのうねりに逆らいながら
遠くの大陸を夢みて泳いだ

その汗は海の水に溶けてゆき
何処までも 何処までも 泳いだ

アポロンは容赦なく光の矢を放ちながら歌い
溺れない彼を称え歌う

ポセイドンは彼の勇気にトリアイナの槍を収め
荒波を消した

白い海鳥は恐れをなし
遠くへと飛び去った

少年は大陸を目指し
何処までも泳いでいった



           初出 日本WEB詩人会 2024/02/12


自由詩 少年 Copyright レタス 2024-02-12 01:41:36
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