石の階段
ひだかたけし
抹消され
ては、
現れ 現れ
ては、
抹消され
異様な謎 謎の異様
死を前にして
終止符打つこと無く
絶えず律動し続け
階段を昇る
宙空に浮き
枯れ草散らばる
石の階段 を 昇る
空の冷ややか蒼く
燃え盛る大地の荒涼と
若人輝く顔の老人枯れ果て
階段を昇る
それでも昇る
枯れ草踏み締め
昇る 石の階段 を
深緑に色付いた林の群れ青空に揺れ
広やか河の水の清流流れ始め
雪に覆われた街並み白銀に突出し
千切れた真紅の断片横へ横へと繋がり
黄金に輝く銀杏並木に囲まれ
純白の雪道が伸びる伸びる何処迄も
∴
現れ
ては、
抹消され 抹消され
ては、
現れ
異様な謎 謎の異様
生を前にして
終止符打つべく
絶えず律動し続け
私は逝く、逝きて門をくぐり新生する、
枯れ草散らばる石の階段を
聖なる未知へ 此処で此の世界で