カーニバル
atsuchan69
仮面をつけた憂愁が舞う
着飾った歌姫と水鳥たちは歌い、
色とりどりの声を散らして
哀しみの浮かぶ透明な空を渡る
広場では巨大なパエリアが炊かれ
裸の犬と子供、朱や紫の女にふるまわれた
燕尾服の男らがサフラン色の米を掘る
香ばしい夢の匂いが顔と顔を包んだ
教会の鐘が鳴り、窓という窓がひらく
鉛の兵隊が円を描いて行進し、
ミルク売りの若いソプラノの声や
バリトンのナイフ砥ぎの声が町中に響く
ここは喜びと苦しみに満ちた世界、
怒りと賛美が泣きながら、生の律動に乗る
パエリアを喰らい、もっと腰をふれ
臍と臍をあわせ、歌え、踊れ