手の平
佐白光
五本の指を思いっきり開いて
手の平を見つめて見る
何を握ってきたんだろう
何をつかんできたんだろう
母の手をつかんで離さなかった
掴みたくても
握りたくても
越えられない瞬間が待っていたように思う
初デートのお化け屋敷でギュっと握られた手の感触は
今でも覚えている 情けないよ
手の平は大きく成長しているのに
なにも掴めていない心だけが
フラフラしている
自由詩
手の平
Copyright
佐白光
2024-02-04 00:45:38