雑な草
佐々宝砂
雑草という草はないのだが
雑草と呼ばれているので
雑草なのである
雑な草なのである
腰をかがめて日なが一日
その雑な草を抜く
はこべたんぽぽすべりひゆ
のぎくになずなほとけのざ
それら雑な草を笊にとり
科学者のごとく
綿密に分類し
大きな鍋にお湯を沸かして
みんな茹でてしまう
雑な草は春の味がするのである
自由詩
雑な草
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佐々宝砂
2005-05-17 21:29:45