奈落の顔(改訂)
ひだかたけし

向こう遥か一斉に
ふくよか
こんもり深緑の
ひろがり生い茂り在り
掬い取ってくれるかのよう

スッパリ切れた眼下の奈落、

君と歩いた果てに覗き込む僕に切迫する

のんびりひっそりのびやかに
君と歩いた途筋、の
終いに

まさかね、

結末に現れた
眼下の奈落

もう君は何時の間にか消えて
独り僕は覗き込む硬い岩底の漆黒
灰白の時の経過に今やのんびりとさ

突然スッパリ切れた眼下の奈落、

向こう遥か一斉に
こんもりふっさり深緑
ひろがり在り掬い取る受け皿

ああもういいんだ、いつでもどうぞ

無数の眼が僕を見つめている

無限の彼方から無限の奥底から
決然と純白に現れた貴女の顔に

 顔、顔
 、顔

アナタという魂の霊性の刻印に導かれ

受け留めてくれるふくよか
深緑信じ確信し僕は飛び込む




自由詩 奈落の顔(改訂) Copyright ひだかたけし 2024-02-02 18:15:50
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