奈落の顔(改訂)
ひだかたけし
向こう遥か一斉に
ふくよか
こんもり深緑の
ひろがり生い茂り在り
掬い取ってくれるかのよう
スッパリ切れた眼下の奈落、
君と歩いた果てに覗き込む僕に切迫する
のんびりひっそりのびやかに
君と歩いた途筋、の
終いに
まさかね、
結末に現れた
眼下の奈落
もう君は何時の間にか消えて
独り僕は覗き込む硬い岩底の漆黒
灰白の時の経過に今やのんびりとさ
突然スッパリ切れた眼下の奈落、
向こう遥か一斉に
こんもりふっさり深緑
ひろがり在り掬い取る受け皿
ああもういいんだ、いつでもどうぞ
無数の眼が僕を見つめている
無限の彼方から無限の奥底から
決然と純白に現れた貴女の顔に
顔、顔
、顔
アナタという魂の霊性の刻印に導かれ
受け留めてくれるふくよか
深緑信じ確信し僕は飛び込む