さいはて に至るまで02
ゆるこ



切り取られた野菜の端ばかり集め
冷蔵庫中腹で開かれる品評会で
腐りかけの指先で絶命した人参を転がす
朝は降ってこない
あるのは催促の声と模範囚ゴーレムの動かす
さえ箸の音である



どこかで聞いたさえずりを思い出す前に
私を引くこの小さな手にすべての意識を奪われる

波が引くように、

思考する前に本能が上書きしていく

ずっと探している
それはもう見えない場所まで流されている



そして夜

まず一度目の自殺
後の失神 からの朝 再生

また羨望郷への切符をちぎり捨てられてしまった

私はまだ 死んでいたかった



自由詩 さいはて に至るまで02 Copyright ゆるこ 2024-01-21 23:22:36
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