不断の円舞曲
塔野夏子
illusion, delusion, hallucination
不断の悪夢
を見せたのは誰
     *
硬質な悲劇の突き刺さる胸
から流れる
見えない血
     *
映るのは
虚像 鏡像 (合わせ鏡に谺する声)
そして境界の融解
     *
不断の悪夢を見たのは
彼か我か
フィルター越しに夜が明ける
     *
脈打ちながら凍りゆく心臓
触れる 振れる 狂れる
翼の散乱
     *
虚像 鏡像 の乱反射
碧いdepersonalization
蒼いderealization
     *
幾重にも境界が融解し
けれど決して触れられない
フィルター越しのゼリーのような夜明け
     *
暗転
隘路にあふれる
見えない血
     *
踊っているのは
illusion, delusion, hallucination
刻一刻と凍りゆく心臓
     *
彼か我か
不断の悪夢を見せたのは
硬質な悲劇を胸に突き刺したまま
     *
乱反射するのは
散乱した翼
融解するそばから立ちあがる境界
     *
碧いdepersonalization
蒼いderealization
合わせ鏡に果てしない谺
     *
フィルター越しなら同じこと か?
catharsisも
catastropheも
     *
踊っているのは
ゼリーのような夜明けへの
insight, intuition, inspiration
 
