五行歌 送り人
レタス
ぼくの礼服はスリーピース
着ている人は見ることもない
誂
(
あつ
)
えてから40年の時を過ぎ
いまもジャストフィットする
鏡に
映
(
うつ
)
るぼくは少し若く見えた
火葬場の職員が骨の部位を説明する
ぼくには慣れてしまった言葉
旧友の岳父の白い骨は太くて
骨壺に入りきらず
職員は ガサリッ! ガサリッ! と骨
潰
(
つぶ
)
す
6人だけの家族葬
天寿を全うした想い出に
泣いたり
笑ったり
あとは寝たきりの御母堂の行方
自由詩
五行歌 送り人
Copyright
レタス
2024-01-17 00:40:59
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