眠りに埋もれた夢のいくつか
そらの珊瑚

ちいさな灯りを枕元に遺しておこう
キミが真っ暗闇でも
夢を掘り起こせるように

閉じられたまぶたの下で
かすかに動く気配みせる眼球

昼間の世界とは別に
もうひとつの世界があると知ったのは
いつだったろうか
もう思い出せないほどに
それは遠く
ただひとつ覚えているのは
わたしの額を撫でている大きな父の手
それは眠りへ漕ぎ出すための
静かな波になった

現実とは別物だけど地続きで繋がっている世界

ウサギを追いかけて落ちた穴から見上げた空の雲のうつろい
夜の街の屋根から屋根へ跳び跳ねたトランポリンの靴
走っても走ってもたどり着かない 目的地はどこなんだろう とか

自分が作って自分が掘り起こすモノガタリの数々は
目覚めればふわり幻のように消えて
目覚めることのないこの現実をふたたび生きるわたしたち

おやすみなさい
願わくば良い夢を掘り起こせますように
サムシング サイン
それらの意味は知りえぬのだけど


自由詩 眠りに埋もれた夢のいくつか Copyright そらの珊瑚 2024-01-15 10:29:05
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