眠りに埋もれた夢のいくつか
そらの珊瑚
ちいさな灯りを枕元に遺しておこう
キミが真っ暗闇でも
夢を掘り起こせるように
閉じられたまぶたの下で
かすかに動く気配みせる眼球
昼間の世界とは別に
もうひとつの世界があると知ったのは
いつだったろうか
もう思い出せないほどに
それは遠く
ただひとつ覚えているのは
わたしの額を撫でている大きな父の手
それは眠りへ漕ぎ出すための
静かな波になった
現実とは別物だけど地続きで繋がっている世界
ウサギを追いかけて落ちた穴から見上げた空の雲のうつろい
夜の街の屋根から屋根へ跳び跳ねたトランポリンの靴
走っても走ってもたどり着かない 目的地はどこなんだろう とか
自分が作って自分が掘り起こすモノガタリの数々は
目覚めればふわり幻のように消えて
目覚めることのないこの現実をふたたび生きるわたしたち
おやすみなさい
願わくば良い夢を掘り起こせますように
サムシング サイン
それらの意味は知りえぬのだけど