独り言
リリー
ツクツク
ツクツク
ピーヨ ピーヨ
それが貴女の
独り言 だったのかもしれない
と、今になれば思うのです
病院から外泊すると
東の窓際で
黙って 鳥かごを
ながめていた母
何も云わない貴女の代わりに
つぶやいていた 桜文鳥
賢い小鳥よ
貴女が逝くと
籠の入り口を自分で開けて
出ていってしまった
声を 掛けることにも躊躇した
あの後ろ姿こそ、
ツクツク ツクツク
ピーヨ ピーヨ
私の記憶にある全く寂しい
言の葉 なのです
自由詩
独り言
Copyright
リリー
2024-01-14 17:47:30
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