おせちメンタル
イオン
昭和のテレビコマーシャル
”おせちもいいけどカレーもね”
おせち料理を食べ飽きるほど
食べてみたいものだと
子ども心に思ったものだ
家内と一緒になってから
我が家の正月三が日は
餅とおせち料理のみである
毎年「楽させて頂きます」と言われて
ケアできずに一年が経ったことに気が付く
この一年が澱のように
家内の中に溜まっていくのかと悔いる
豪華で美味しくても
同じものばかり食べるのは辛い
”おせちもいいけどカレーもね”
晴れ着のキャンディーズ
あの三人の笑顔が脳裏で繰り返すが
正月ぐらい家内を休ませあげたい
ランちゃんの顔を家内にすり替えてみても
おせちはカレー味にならない
見透かしたように家内が言う
「毎日違うものを食べられるって幸せよね
これも毎日働けるからだよね」
おせち料理のように
決まったメニューをこなす仕事に
時々カレーが流れ込む
せき止めることができない場合は
カレー味として生かしてきた
明日は仕事始め
職場の仕出し弁当が楽しみだなんて
家内には言えない