サーカスの流民
TAT
新しい街に引っ越す
日の朝の
指が冷たい感覚が好き
まずチェック
スーパー
パン屋ラーメン屋
ホームセンター
百均ショップ
この街の
コロッケ屋さんパン屋さん
生きてゆくなら命は賭けろ
まぁ二年
せいぜい四年
旅一座
バンドワゴンのディアボロ芸者
腕時計
朝の五時から六時半
東の地べた
大きな光
「弱い者にパンを投げて驕るな」と
独楽の木田さんは毎回怒るけど
猫カフェでまたたびをオプションする癖は
死ぬまで直らないしなと
我ながら思う
釉
親も
故郷も
思い出も
川に流して
日はまた昇る
あたらしい
朝が来た
希望の朝
空中ブランコ
サーカスの夜
オーケンの
「キルプの軍団」に
出てくる百恵さんに
この短歌等を捧ぐ
身も皮も肉も骨も