深酒
リリー

 テイクアウトのピザを
 たらふく食べ
 飲みすぎた赤ワイン

 炬燵で寝落ちし
 ふと目覚める 耳の底の音だけしかない
 深夜

 空ビン洗って
 ベランダの収納ボックスへ入れる音、
 黒つるばみの 夜気に沈んで

 ささいな悩みや焦立ちに疲れて
 知らずに 十二月は
 ひとりぼっちが似合うと身にまとい
 冷やかに笑う
 居直りのふてぶてしさ

 それでも一晩眠れば 
 休日の朝
 石油ストーブ炊くにおい
 軽い二日酔い
 あちらこちら 心さまよい
 テーブルに頬杖ついて眺めるマーガレットと
 遠い国に旅をする

 「何て私は、可愛い人間だろう。」


  

 


自由詩 深酒 Copyright リリー 2023-12-27 13:04:50
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