夜の林
moote

その手についた砂が
立小便したペニスにはりつく
まなざしは少し不安げで
夜の川の冷酷さに溶ける
パンダを見た先週の
頭のふけがサラサラと落ちる
まるで小穢い悪魔の様だ
弱い酒がくるりと廻る
疑いもせずアルコールに浸る
映画のエキストラにさえなれない
自分の器の小さなを嘆く
空気は妙に冷たい
まるでからかわれてるように孤独だ
砂のついたペニスが気になる
こんな大の大人がこんなところで寝転がったら
誰かに見られたら情けないなと思いつつも寝転がってみる
幸せだ、と思った
いや、幸せではないのだが、その時だけは幸せだった
まだ誰も達成していないかもしれない
謎の偉業を達成する
灯りのあるところで自分の脚を見たら
小さな虫がはりついていた


自由詩 夜の林 Copyright moote 2023-12-24 01:09:16
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