冬日のこころ
そらの珊瑚
朝は曇っていたけれど
天気予報を信じて洗濯した
どうせ一日では乾かない
束の間の外干し
冬生まれの子はよくミルクを吐いて
深夜に洗濯機を回したものだった
洗濯物はいつでもエアコンで部屋干し
わたしもお日様を浴びることを忘れ
だからかもしれない
幸せしかないはずなのに
からからと乾いていた
晴れた冬の日が
ふんわりとあたためていく
時間に洗われたものの数々
雲が流れて現れた
おぼろな昼の月を
ゆっくり横切っていく飛行機
どこへゆくんだろう
みんなどこへゆくんだろう
なぜだかあの飛行機に
大切な人が乗っている気がして
それが空に溶けてなくなるまで見送った