アンニュイ
リリー


 雑然とした卓に
 ちょっと戯れに挿した
 寒椿の 紅い沈まり

 眠れないのです

 時は重たいものですね
 全て寝静まっているのに
 音があるのです

 秒針が刻む
 藍下黒な泥濘の裂け目から
 きこえるのです
 私の血の流れでしょうか

 滾滾と絶えることない
 音を聞き
 ボトル開けるリキュール
 そうして 呑み込む
 嫉妬がやはりあるのでしょう

 仕方ないのです

 寒椿が付き合ってくれているから
 眠れなくてもいいのです



自由詩 アンニュイ Copyright リリー 2023-12-19 20:57:06
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