okaeri.com 51-60
AB(なかほど)

 
砂になってしまった夕陽は
さらさらと少しく風に吹かれ
まあだだよ、と穏やかな逆反応
 
 

私の幸はどうでもこうでもOK
あなたの幸、あなたの幸こそ
もっともっとエデンの東のあなたの幸へ
 
 
 
「さびしい」よりももっと混ぜこぜな
それはやっぱり「トンボになった気持ち」
だったのかもしれない
 
 
 
親父が子供の頃に本土政策で使われた方言札が
民族資料館に陳列されている
それをなつかしそうに見る人達はもう
 
 
 
はるかあとおくうのお かぜのおむこおにい
きてきいのおおとのお ちり〜ん
と、ゆうおじさんのポルシェが通り過ぎる
 
 
 
ほんとに帰るとこなんて判らないまま
どこかで君が烏の あー と真似ている
とりあえず僕も あー と鳴いてみる
 
 
 
境内出るまで、振り向いちゃだめ
走っちゃだめ、立ち止まっちゃだめ
声出しちゃだめ、お願いごと思い出しちゃだめ
 
 
 
ぼく、
で始まる作文は良くありません
と先生が言ったものだから
 
 
 
未だに夢は消えないらしく
それをつついてみると忘れてた
ギブソン やら クリの化石やら
 
 
 
そろりそろりと歩くとあれもこれも
終わってしまったことばかり思い出されて
知らない町なのに懐かしく
立ち止まったり振り返ったり
 
 
 
 



自由詩 okaeri.com 51-60 Copyright AB(なかほど) 2023-12-18 19:41:35
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