或る日のカレー
リリー

 17時回ったスーパーの精肉コーナー
 陳列棚に、値下げされた鶏もも肉少量パックが
 取り残され上目遣いで
 私を誘惑する

 手が伸びる けれども
 チキンライスを食べたいわけじゃない

 (どうしたいの?)
 脳裏に浮かぶ冷蔵庫の野菜室
 ジャワカレー辛口のルーが半分残っているわ

 (コレじゃ肉、足りないじゃない)
 目線が隣の棚の値下げ少量パックへ流れ
 やはり取り残されて居る軟骨

 (よし、今夜はカレーにしよう!)
 
 何とも言えない
 いいスープが出た鍋をオタマで掻き混ぜながら
 すっかりダシになってしまった軟骨
 食べるとコリコリするだけで
 すごく味気ない
 
 誰にも、自慢できない
 初めて作った軟骨カレーに満足だった
 
 
 
 

 


自由詩 或る日のカレー Copyright リリー 2023-12-17 18:17:51
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