サンタクロース
本田憲嵩

十二月にだけよみがえる、
永らく北欧の丸太小屋に住み着くことになった、
赤い司祭服を着こんだ、聖なるニコラウス風の、
たましい、
つねにその生活の中心になっている、暖炉のさかんな炎、
のように、
冬の商戦と物流、そして子供たちのゆめを活性化させる、
きわめて重要な、冬の経済の父神、
ほぼ一年間履きつづけた、西暦の靴下のなかに、
大量の金貨を差し入れる、
綺麗にラッピングされた、プレゼントの箱をまえにして、
サンタさんが来たね、
という声こそが、



自由詩 サンタクロース Copyright 本田憲嵩 2023-12-11 00:44:10
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