熟睡
山人

ころころ、ころころ
肌触りの悪い紙に包まれて
ずいぶんと劣悪な道を転がされて
半年を終えました
半分寝ているような覚醒しているような
まるで白夜のようでした

作業所のピノキオたちは寝静まり
音を立てなくなると
ひどく平穏になるのです
まるでそれは幼児の頃
母の背中で母の焦燥をも知らずに
いたずらに眠りこけていたように

数日前、おびただしい寝汗をかき
たくさんの物の怪がさめざめとした夜へ
放念されたのでしょうか
ひどいことに
私は十時間も寝てしまっていました


自由詩 熟睡 Copyright 山人 2023-12-08 06:12:12
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