リハビリ①
OMEGA

40過ぎて、どんぐりを拾う楽しみを識る。

椎の実であればなお嬉しい。
殻を割って、虫がいないことを確認しておそるおそる齧ってみる。
懐かしい味がした。

どんぐりは1つ1つ形が、色が、模様が違う。
笠の形も頭の形もそれぞれ違う。

この年になってなおも知らなかったことを知る喜び。

コマにして遊ぼうか。
それとも顔を描いて飾ろうか。
拾う時はいろいろ考えるけれど、結局は、母の遺影の前に山となって手付かずになる。

ああ、そうか、私が拾っているのはどんぐりではなくて、思い出なのかもしれない。
忘れてしまった大切な思い出達を、拾っているんだ。


自由詩 リハビリ① Copyright OMEGA 2023-12-05 20:50:39
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