Fairytale Of Snowland
ちぇりこ。

・遠く
離れたままで
わたしたち
白い季節を一まい隔てた
(冬の華は六角形に受粉する
その周りを
星の子どもたちが手をつないで
ぐるぐると回りながら
白を蘇生させようとしている
(かたちのない
(冬の生きものたちは
(いずれも透明な骨格をもっていた

・無色の国で
極彩色の夢を見る方法
1)逆さにしたスノードームを
空高く放る
2)目隠しをしたまま
両手で受ける
3)聖ヨハネの日に
一度だけ自分の影を見る
(一攫千金を夢みた
(荒くれのTATOOが
(万馬券を握りしめたまま
(冷たくなっていた

・お母さんは
この森でいちばん大きな
もみの木でした
とても古い冬の日に
古い考古学者のひとが
お母さんをしらない言語で
固めてしまいました
(お母さんが
(博物館へ寄贈された朝
(スノウ、きみは
(梢のてっぺんに引っかかったまま
(降りられないと泣いていたね

・もうじき
少し焦げた砂糖菓子のにおいのする
わたしたちの神さまが
うたいながらやってきます
その日はとても白いのです


自由詩 Fairytale Of Snowland Copyright ちぇりこ。 2023-12-03 10:09:43
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