Xやフラペチーノなど
田中教平


のり弁の米だろ 多分 Tシャツを七分丈へとかえているとき

婆さんがワン・ツー・スリーと犬に言う 逆光だけど信号は青

ディランかけ掃除をしてる いつの日か目覚めない日が来ると思った

洗濯機回ってるけさ火曜日で 予定があればテンション上がる

朝食に卵ばかりを食べるとき東京渋谷の話しはしない

ユニクロもけっこうするけど ユニクロと選択を決め駅を下ります

ユニクロがその本領を発揮する冬に立ちます ときどき走る

病院に行くにマスクは絶対ときみと少ない約束となる

もしきみが話さなければさびしくて話しているから嬉しい筈だ

空っぽのペットボトルを地面へと立てる これも表現してる

目薬をさせばいいのに外へ出てコンビニに行きほうじ茶を買う

三十分前に駅へと着いたので三十分間鳩を見ている

電車が橋で川を越えてる瞬間に うわあってなる うわあってなる

大きくて緑の帽子だったから「あの山の人」ってきみに言いかけた

ローカルの新聞に載ったことがあるでも遊ぶのはとなりの街だ

CDを買わなくなって歌集買う 1700円だったとおもう

大丈夫 焼き芋マシンが鳴ったってあなたの慌てる必要はない

スーパーで卵が見つからないときは店員さんにきくといいです

おとなりに水の業者が来ていたら水の何かがあったんだろう

資材所の近くの家で暮らしてる 電話をひかず一年になる

若者が店員だけのスタバへと入ってしまい二十分いた

あたらしい眼鏡はきみが選んだのできみののぞんだ通りに見たい

靴下を片方失くす怖れからけっこう靴下持っていました

XといえばJAPANのことだけど郷ひろみには辿りつかない

暮らしては3年になる家庭には言われてみればアイロンがない

ユーミンの気持ちになって歌えばと親に言われて絶望したこと

いつ噴火するか知れない富士山ときみの間で眠る毎晩

袈裟下げた僧侶が煙草喫っていて法話も良かったけれど良かった

コンビニに寄って帰ろう スーパーに唯一置いてあるのはホープ

駄目だなぁ周りはてんびん座ばかりだからうお座のことはよくわからない

Xもそろそろやめて戦わない田舎の人になろう田舎で

あのようにいつかグルグル回っては横にバタンと倒れたでしょう

風つよく僕は段々弱くなり均質わたしをやめてしまった

やめること他にないかと歩いてる 冬の河原で頭をひやす

この雨の一つ一つが落ちたもの 落ちる先には交番もある

短歌ならしっかり書いているけれどきみとの会話は疎かにした

キャラメルフラペチーノは覚えたけれど他のメニューはいつも忘れて

 


短歌 Xやフラペチーノなど Copyright 田中教平 2023-11-24 19:49:56
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