アンドリュー・オールダム
TAT



















AからZまで順に発音させて
好きにドレミで歌わせて
どれか一音でも
「お!?」と思わせる音を
      唇から出すシンガーが居れば
そいつと契約するだけだ

「今のは良かったな」
とか
「ほお。面白いフレーズだな」
とか
そんなんじゃ駄目だ


目が覚めるような驚きがなけりゃならない

「何だ?何だ?今のは?」
と思えるような衝撃が必要だ


音程が違うとか

タイミングがずれているとか

そんなものは何の関係もない






「魂」と言い換えると
そこで話が終わってしまうが



だが
一言で表せと言われれば
どうしても

魂を持ち出さねばならなくなってくる



理屈でもなく
セオリーでもなく
もちろん道徳や
ルールや法律や
モラルとも関係がなく

ただ魂と芸術とだけ深く結び付いている
情婦のように
共犯者のように
親と子のように
















それは稲妻だ
それは快楽だ

































さあカードを選べよ





















右か左か

















どっちが正解のカードか選べ














































































と投げて










さてコイツは










単に右か左を選ぶか












空や下などの
選択肢以外の選択肢を選ぶか






















はたまた卓そのものを引っくり返すか

まるで聞こえていないかのようにゲームそのものを成立させないとか




逆にこちらに左右を選ばせるとか













とか














そこも含めてゲームの一環だ



































































































詩について語る時

俺はいつも裸足で泣きそうになる

詩について俺はなにも知らない



詩の前で俺は裸で

無一文の素人だ








詩を書きたい


一編でいいから


一遍でいいから







詩を














詩を書いてみたい
















































自由詩 アンドリュー・オールダム Copyright TAT 2023-11-19 19:47:05
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