さみしい夜のぷちぷち
そらの珊瑚
もうあとは寝るだけ、という段になって
三日月を見つけた
三日月もわたしを見つけた
他者のさみしさに触れると
自分もさみしいということに気づき
それはことばにしてみたら
手にありあまるくらい
静かだから
Amazonから送られた
昼間のダンボールの中の
ぷちぷちを
ひとつ、またひとつ
指ではさんでつぶし始めると
それは最後になるまで止まらない
冷たかった指は次第にあたたかくなり
だけど指紋はすり減ったりしない
たましいを抜かれたぷちぷちは
夜の川に流れていった
死んだらみんなそうなるように