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AB(なかほど)


どうして
こんなにも
遠くなってしまうんだろう

 

息子はもう用事のなくなってしまった
園を降りかえる
その向こうにはいつもより輝く白山さん
 
  

雪が溶けるように
君のなかから消えてしまう
それは僕の意志でもなく
 
 
 
マイクロバスからあせた国際色が帰る場所
すべての始まりはそこにあると
信じるものたちの終わりも始まる
 
 
 
この電車は秋葉原には停まりません
いつの間にか
とおり過ぎた場所には停まりません
 
 
 
ひとしきりの声と涙の後に
煙が青空に溶けた
失敗とか過ちとかそんなことではないんだよ
 
 
 
いつまで経っても
あの曲がり角にたどりつけない
一人でたどりつけるはずはないのだ
 
 
 
朝届いた君の事を告げる手紙が消えた
いつまでも何もないという思い出だけが
残った
 
 
 
窓はない
最初からなかった
そう思ってごらん
 
 
 
今日 雪 降って 消えた
ひざを抱えて 眠る 者たちに
降って 消えた
ことばは とんと
 
 
 
 
 


自由詩 sayonara.com 41-50 Copyright AB(なかほど) 2023-11-16 18:33:56
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