陰謀論
atsuchan69

どこからともなく
黒い帽子、
黒いコートの
陰謀論者がやってくる

はじめ電信柱の影にいたが
子供たちが騒ぐと、
わざとコートの前を開いて
●ン出しをして追いかけて来る

不気味な風の音、
幽霊のおなら、
座敷童のパタパタとした足音
陰謀論は音もなく忍び寄る

――タヌキが世界を支配している
――キツネが戦争の黒幕だ
――夜に笛を吹くと酔っぱらいが踊る
──食べてすぐ寝るともう朝だ

そう、陰謀論は面白い

陰謀論が広まると、
黒い帽子、黒いコートの
陰謀論者は北風を背に
コートの襟を立ててニヤリと笑う

全世界の労働者諸君! 
たくさんの会社がつぶれて
不況から戦争、戦争から復興だ
幸福とは疑わないことである

陰謀論は●ン出しだ





自由詩 陰謀論 Copyright atsuchan69 2023-11-13 08:49:10
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