偽り
リリー
貴方の低い声に
瞬間 止まってしまう私の心
ポツリ と
残った高い音
ヒマラヤ杉が激しくゆらいで
薄暗い講堂の辺りは
まるで雨と風しか無く
あの時
何故 貴方に手をのべなかったのか!
稚なかった
余裕がなかった
死んだ様になっていたのだから
弱い私は
目くらみ涙も出ようとしない
遥かに 遠ざかってしまった嵐の日
あの高い音に
痛みは思い出されるけれど
冬の空の下を行く
偽りの
後姿、いつも自分で見たいのだ
自由詩
偽り
Copyright
リリー
2023-11-04 17:26:20
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