とんぼの涙と今日の空
こしごえ
それほど
私の愛は深くは無いので
終わらせてやることは出来ません。
ただ、魂のそばに在るだけ
それしか出来ません。
ああ何故だ
何故
と今は
のっぴきならないことを
問うのは止めよう。
とんぼは頭をくりっとする
とんぼの翅がお日さまの光を反射して
きれい。きれいだ
悲しくても 切なくても 苦しくても
自分で死ぬことは出来ない。何故ならば
自死はあの人にゆるしてもらえないので
生きるしかないのだった。
あの人は
死にたくないのに死んでしまったの
だから だから私は
生きる
最後にゆるしてもらうまでは
死んだ人の魂と共に生きるんだ。うん
とんぼは飛んでいった
愛
愛か 私の愛は
傷だらけでさ
魂も蒼くぼんやりさ
これは
自分で選んだのさ。自分で
それでも今日の空だけは深く澄みわたっているのです
※ 初出 2023.11.04 16:07 日本WEB詩人会