とをくうつくしぶ
あらい
臍帯の
とおい丘陵地を這いずる
霊魂は旅人 樹の葉の告げを
目覚めたばかりのわたしが懐う
なにもないという天国
だれが、いますか
顕花植物というおおよそ
陰核の癖だけでも
ぎこちない空気
暗転と争点を骨壷に入れ
妄想ばかりのハラワタが忠実にあるとき
くびれた肉体だけが印象を蛇腹にする
フレキシブルは束縛
あなたは三千世界に花束に
海の傍山の側、すこし背が高く
風が鳥を拵えている
広々とした座敷に柘榴が産る
わたしがとおりすぎたのは
今し方のことだが
たぶん明かりひとつと杜
種と仕掛けを戯える
誰も彼もいないけれども
奥へ続く未知のまえに
その横にひとつの廷吏があり
ある図書館の一冊から
枝葉が満ち
花が綻びるころ
ものがたりははじまるのでしょう
小娘は夢を見たのだ
繊細に灯された蔦の先でほつと裂く
小さな実を抱いた八重の紅が、いま
破水しようとしている
きみの わたしは
靴と小物がまた
駆け出していくのを見守るように
とはいったものの
野葡萄と天穹に眺めみる
誘鳥木にいる
この街を歩くのはとてもたのしい
金木犀のおとぎばなしは
ふるいもの うまったもの
予感させるいろの連なりとして
個性とことばを喪っていきました
信仰は盲目の感情の最終章、こわく尖らせ
だいぶ先の夏がまた いってしまわれた
最影部の手札を眼の前に平伏す
幽霊を持つ
また秋桜の季節の膨凡から
ヤマトナデシコは多幸感に飽きれるよう
仕付けられ痺れてしまった
ただただ、水路しめやかな
つまびき。ここに 届く
(私の耳はマゴットセラピー)
空駅星の存続のため
世界時計を式しています
彼方は燦然世界に花束に、
ひとつ 劣る ねむりひめ
たとえば それは、うまれ ゆく
かきけしたあめの よるの
景観。かんぜんにあらぬもの
ただならぬ、乱調子の公園で
いいえ光り輝く湿地帯で