少焉
あらい

日陰の子雀が舞い上がるまでのあいま、口噤む

  能面はこんなふうにして翌日の時期を衝動的に開け閉て、
  また俯向いた庇を置き、南の空へ。
  複数の胸の、ギヤマンのことに死ぬほどの霹靂をほとばしる

  昼過の中り傍らに忍び込み しゃがれては褪色する不可知の朱に
  腰を落とすと無条件にあたる 行き場を埋もれいると、目まぐるしく


       演舞を失う
     意思下に生じる
         radiata


  尽くされるまで蝕されていくのを、司るは精霊、棒の先楔の先、
  誰の目にも触れず息を殺し、ますぐな濫觴の気配である、
  悦に歪む饒舌は 午睡も貪り恥ぢめる 未来が咲いている



 枯らさずに絶やさずに手をかける
 花と私が
 そっと 
 遠く爛れた砂地泥濘に、

     しがみついたもの
       いくらナミノオト、永遠に、
       小花が浮いているあたりで、
     雨上がりに、
     小さな水辺に、
        深い空が底に描いている
     おおきなものの元で、
        足を踏み入れた朝日が
        出口もなくわらっているという、
     今でも

   上から下へすっと落ちた華の含んだ、
   後ろ向きに酔いしれた大輪を眇めた、
   うつくしい、こんな月夜。さかのぼり




        近く踏みしめる群青の場で殺されました
        それら蜃気楼の羽音散らした溘焉の祀り




憧れ/畏まり、
  一欠が大分 煤けた習慣の、痛ましく白い苹果の
  上塗りした復讐心が、もう目真苦しいのだ

つまり
  振り出しの風鈴の、ときの うれい、とLynxの
  舌は靑ざらく 武装した策士であろうと静けさ、
  部屋外に取り巻いて

滑ナメる。
  特に雨水自棄酒の濁声のさやに安ら嵩 
  昴を砕いては、惜しむべき表象の結氷が、
  じんわりとくだを巻き 反吐を架く



ここに それとなく すくなくとも つめたいから

まのあたりにして もがいている。やおら、さまざま

かみさまはきえさりやすい。あかるいひに、さくばん


自由詩 少焉 Copyright あらい 2023-10-27 17:01:32
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