たぶん都会で生まれ育った人には無理だと
足立らどみ

リズムから溢れる符牒符合をかき集めては
かき集めてはため息ばかりついていないで
今にさよなら半歩先昨日にあばよと階段を
詩を書くことの出来るよぼよぼ歩く老人の
ご老体の影のマス席で韋編三絶繰り返して

令和が始まりコロナ禍もどこかの時代から

メッセージを書いてみます

今年の私から来年以降の私 へ
 

トロント始発のユビキタス行きの列車は煙りを吐き出し
有産階級文化の器という名の便は既に変貌を遂げた中で
イレイザーをも受け容れる枠組のなかペンタゴンは笑い

日本のトイレは、ますます綺麗に合理的な未来になり
トイレに行くことが、ますます、恥ずかしくなくなり
「私と公」の壁が低くなり、高速が曖昧になるにつれ
個人の脳の限界を肉体的に理解しはじめているキミは
ぼくが夢見る「過去と今と未来と何か」を足して割る
ぼくの夢の限界を肉体的に理解しはじめているぼくに

手紙電話FAX通信ワープロ通信みかか通信WEBSNS
僕以外親兄弟親戚親族地域の皆様職場の皆様友人知人
ラジオ新聞テレビ映画に演劇予告編と協賛の太鼓持ち
垣根無し垣根無しの曲がり角の先が見えている街角で、、

ごちゃごちゃのタコ足配線をテーブルタップごと力任せに抜いてしまい音と色と数字と時
空の神経を脳からぶち抜いて無くしてしまっているのかもしれないそこが欠如しているの
かもしれない、CMくれて、こましゃくれて、ささくれたぼくに、キミが夢見る「過去と
今と未来と何か(ー◯ー◯)」の表面を融合混合の液体の中で都市の肉体は溶けはじめて

「公と私」の狭間で圧迫死の快感を悶絶の泣き顔と恍こつの笑顔を

同時の同時に表現しながら

ゆれ動き出したレシート紙と
最新号のじゃらんと
明日着る服を抱きしめて

やっと

三つ編みの赤毛のソバカスだらけの女の子は

大草原に現れた
 
 


自由詩 たぶん都会で生まれ育った人には無理だと Copyright 足立らどみ 2023-10-22 06:47:50
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