呪われたもの
竜門勇気


自分の言葉に答えながら
最深部の果てしない痛みに臨む
触れることも語ることも
思うことすらも頭が割れそうなほど痛む
思うことを思うことすら痛い
明日、思ってしまうのかも
明日、それすらも痛い

憂鬱が濁っていく
光が星の明かりほど強くなければ
夜の街を歩いて行けるのに
地球から放たれた憂鬱がどこかの
光で透明になるなら
明日、自由になれるのかも
明日、それは知らない解決策

憂鬱の解決策が普通の日常なのだったら
中途半端な拷問だよ
首は絞められて歯は何本もなくなって
普通が新しくポケットに入って
明日からそれで暮らせって
明日、いつも通りに目を覚ませ
明日、みんなと一緒に駅へ向かえって

でも、自分の言葉に答えながら
まともになろうとした
解決策は、みんなうまくまとまるやり方は
どうしようもない困りごとは
どうしようもない不吉は
憂鬱でやり過ごすしかない
憂鬱をもてあそんで時間を過ごすしかない
ふつーの日常がないなら
まともじゃない日常でやりくるしかない
憂鬱でやりすごすしかないよ
憂鬱をもてあそんでふつーじゃなくなっても
まともじゃないものを抱いてうずくまってるしかないよ
ゆーつは誰の味方じゃないから
そうやってるしかないよ
ゆーつを必死で守って
ふつーを憎んでいるしかない

そうやって化け物になることが
救いになることがあるんだよ
どんな痛みにさらされるより
生きていることのほうが重要なんだろ?


自由詩 呪われたもの Copyright 竜門勇気 2023-10-16 23:00:46
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