ハイヒール
リリー
薄い霧の
晴れない朝
軽い ハイヒールを器用にさばいて
女は舗道をいく
昨夜 花開いたに違いない女の性が
そのすんなりした 脚を
わずかに恥じらわせ
プラタナスの落葉
踏みつけることをさける
ひそかに今朝
青きレースに包まれ
締めつけた乳房
何とか外に溢れ出たいと希う情欲の名残りは
きらきらと 瞳から大空へ舞い上り
薄い霧が
やがて 晴れぬ間に
女よ、
美しさを 誇れ
自由詩
ハイヒール
Copyright
リリー
2023-10-15 18:40:35
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