DAYDREAM BELIEVER
本木はじめ

踏み込んだところが山の入り口でお眠りここがゆめの入り口


僕はまだ死んでいないとあなたから雲の手紙がひろがる深空


この花の名前をあなたに聞いたはず昨日の夢の廃屋の庭


生きていることにだんだん慣れてきた幼い子らよあれは夕焼け


両腕をひろげて空に立っているいつからあなたは水であったか


不自然なかたちで埋められてる扉なぜか手にある錆びた鍵穴


廃ビルのもっとも暗い室内にやがて射し込むひかりもやがて


何もない世界の隅でただ僕は世界の隅を死守する真昼


味気ない灰色だから原色の赤い花束あらわれる夢


ここにいないあなたがここにいるような遊園地から歩いて帰る


ばらばらのカードめくってうなだれる夢の中でも会えないあなた


青という色の基準としての星ふたりで見ている銀河のほとり


どうすればふたりになれる秋までの予定をすべて忘れてねむる






短歌 DAYDREAM BELIEVER Copyright 本木はじめ 2005-05-15 19:28:50
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