旅
塔野夏子
君の言葉と沈黙をたどる
僕の言葉と沈黙とで
その感触をさぐりながら
そうすることだけで
行ける場所があると
いつからか――
記憶の海より深く
予感の空より遠く
その道のりで生まれた
数多の言葉と沈黙は
やがてこの旅路の果てに
やわらかく眠れるように
うつくしい天蓋を 織りなしてゆくのだろう
自由詩
旅
Copyright
塔野夏子
2023-10-07 10:33:14