翼あるもの
soft_machine

 おおきな
 朝日を 笑いながら
 数えきれない鳩が輪になって
 時の繋がりが聴こえてくるような
 羽根を打つほどうつくしい游び

 壁にぶつかるんじゃないか
 そしてそのまま吸いこまれるんじゃないか
 何かに引きよせられるように進む烏は
 遥かな高さをまっすぐ過ぎ
 めぐる風に羽根をつき
 ふわと舞いおりる

 木陰でたばこを咥え
 空を眺める男たちと
 私も同じ羽撃きをくり返したが
 かすかに浮あがるのは心だけ
 街の音につつまれるだけ

 翼あるものの声が
 知らない国に届かず結ばれて落ちても
 静かな海にふり積もる
 地上で灼かれる私たちには見えない
 そっとおしあう
 ソラの膨らみ





自由詩 翼あるもの Copyright soft_machine 2023-09-30 16:03:32
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