意識の葛藤
ひだかたけし

消滅はせずに
只々平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない次元に
後ろ手付いて息を吐く

反復の内にあり変わる明度
記憶はあくまで凍結され
思い出したように不意にまた
凝縮された映像の写る
そこに居るのは他者なのか
それともあくまで他人なのか
内なる舞台で踊る人
抱きしめようとする両手を
するりとかわし逃れいく

 (見上げれば
 高みの青は揺れに揺れ
 白い巨鳥の天を行く
 明滅するこの意識
 仄か影が付きまとい
 言葉は未だ掬われず)

消滅はせずに
只々遠くなっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現に
後ろ手付いて息を吐く








自由詩 意識の葛藤 Copyright ひだかたけし 2023-09-27 16:11:02
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