戯作者からメッセージの付録
アラガイs


 モリエールからドストエフスキーへ至る僕たちは人間が嫌いだった

鳶から揚げをもらってありがとう。宇宙から見上げれば重量の力を借りているだけそれだけだからこの不安は不安と入り混じれば風船は鳶を追いかけるだろうね。ほら、空気を入れてごらんよ。虚しいよね。空気が膨らんで風船も膨らんで重力に逆らえない僕らは虚しい存在で

                            すり替えられた名前がきみの底なし沼から片足を洗い流しても片足は裸足のままなんだから遊園地を巡ることもできなかった。あなたは詩を書くのだから移籍しても大丈夫よねってまだ六歳の子供に言う母親の心境がわかる気がして僕らは人間を好きにならなければ食べてはいけないんだ。胸が苦しいね。
    箴言します。
              彼女を思い込んでから半世紀が過ぎていきます。その度に彼女の顔色を覗いながら言いたいことも言えなかったり、あるいは死んだふりをしてみたり、たまたま通りがかった人に彼女の近況報告をお願いします。すると通りがかりの人は彼女をさらって僕の近所に引っ越して来たんです。垣根の向こうで生まれ変わる決意から二度   裸を晒しました。
                                             すべて自分のせいだから他人を嫌ってもいいという理屈は
                                 何度も他人から瞞されてそれでも人を信じる人が言いました。僕は詩人だから。始めから他人なんて信用してはいないのです。ではあなたは何故に他の人のことが好きなんですか? あなたは勘違いしてる。あなたからみれば私も他人で私からみればあなたは他人だ。 他人どおしが混じり合えばほら、不安と不安は解消されてひとつになる。私とあなたは同じ時間を生きているだけで、瞞そうが瞞されてようが存在には何の関係もない。これは哲学でもなんでもない、詩人からの流用です。そこで僕は立ち止まる。 嘘、嘘、嘘、 。半分に食いちぎられた揚げが空から帰ってきて、好事家たちはやっと眼を覚まし。
                 そのとき台詞を発するのは声の大きい人なのかそれとも美しい声の持ち主になるのかを客席で見守っている。という構図
            鳶を辞めて九官鳥にしましょうか。
 
舞台監督が指示するのです。誰か嘘つきの上手い詩人を探してきてくれ。きみでは駄目だ。嘘が下手過ぎる。きみは人間を嫌い過ぎる。本当は好かれたいから嫌う素振りをしているだけなんだろう。さあさあ向こうへ行ってくれ。詩人の書いた台詞には真実味があるんだよ。嫌われてもいいから、という濃さがなければ話しにはならない。  、誰か、誰か、嘘の上手い詩人を連れてきてくれ。                
                           リハーサルはここで休憩


                                 


自由詩 戯作者からメッセージの付録 Copyright アラガイs 2023-09-22 00:53:38
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