きまじめな顔2
ひだかたけし
浮かんでる ぽっかりと
うかんで居る
漆黒の闇にあらゆる狂騒後にして
半月 くすんだ黄に輝く半月抱え従え
闇夜に小舟のいきます 静かさの微笑み
こんなこともあってあんなこともあってそれら総てに導かれ導き
(私はわたしという場に生き
いつでも巨きな花を抱え)
靴紐ほどけてますよ、と早朝
道すがら声掛けた若き女の
ヘッドホン装着の白い顔、
想わず崩れ微笑み暖か
*
浮かんでる ぽっかりと
うかんで居る
漆黒の闇にあらゆる狂騒跡付けて
半月 くすんだ黄に輝く半月道連れに
闇夜に小舟のいきます 静かさの微笑み
闇夜に留まり深み高み沈み昇り
静かさの轟きに
静かさの
ヒビキノンセンスに
(トラック通り過ぎる明らかな街道外界の騒音懐かしく)
わたしは生きわたしは逝くでしょう、
きまじめな顔抱え
現の現にて鮮明な刻印 跡付け蘇り
思い出、抹消し柔らかな否定に
私は無と無限と為り深い泉の開けて