サクリファイス
soft_machine
きみにあげた 乾いた骨は
ある深さの空で生まれ
漂っていたのだと思う 低い声で 細い管で
貪る世界から すこし離れていたかった
喉の重みからぬき出した小骨
きみにあげられないのはその肉
青白い月の実が 口の中で滴り
ふくらんだかと思うまにしぼむ
感触に操られるまま
写真がつくうつくしい嘘より
ありのままの日々を過ごさなくてはならないのなら
大切なものから
きみにあげたい
それとも
捧げることで 消えてしまうことで
きみの未来を照らせるのなら
もう、何も惜しいはずがない
お願い 言って わかるって
風になびきひろがるレースに花をからませ
音もなくひろわれた砂のペン
天にかかる 海獣の夢から採譜した しおざい 階
そしてその和音
はじめて覚えたことばを思い出せるなら
はじめて感じた愛情がいつまでも色あせないなら
わたしに残る最期の嘘は
あなたのことが好きです
その代わり ・ ・ ・
その代わりわたしにも下さい
あなたのなって欲しいものになれる権利を