キツネ
黒髪

道端でキツネが目の前を通り過ぎて行った
少しうつむいておびえもせずに
化かされるのかと怖かったがそんなことはなかった
暑くても懸命に生きているのだろう
少し勇気をもらった
愛しい動物だ

みんなが夜を過ごしている
辺りは暗く息が苦しい
社会を見ればみな必死に生きている
できることは
人や物を大切に
キツネにように優しくなれていたら
目を見交わし
別れたんだった
それでいいと思ったんだった

キツネの思想を考えると
生まれ生きて子を作る
毛並みに愛を感じる
尻尾を振るあいさつ
話せずとも鳴ける
音楽に踊る
ねぐらはどこだ
人のようにすやすや眠れ


自由詩 キツネ Copyright 黒髪 2023-08-30 23:51:35
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