海の底
ryinx

 目が覚める
生存しているのは誰か
 私とは誰なのか

空気の中を漂って
 街道に迷子している
雲間に揺れている

教えてくれないか
 何処にいるのか
誰がいるのか

 今も何処かを、歩いているのか
いつかまた話せる日がくるのか

 中心線を下降して
網に絡めとられた蝶は
 路地の街路樹に留まる

時代と共に重くなり過ぎた大気に
 いつかの海の底に
還る日を待っている

いつかの海の底で
逢えるその日まで




自由詩 海の底 Copyright ryinx 2023-08-29 08:13:52
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