note
ryinx

 そこにいたのは亡くした記憶
 色褪せた壁に貼りついている

 いつどこで出会ったのだろう
 私はそこには居なかった筈だ

 老人が蝋燭の火を眺めている
 窓枠からは夜の空気が流れる

 零時になったら終りにしよう
 それから朝まで会話は続いた

 ナトリウム工場の跡地

 行き先のない場所を
 探していた


p.13







自由詩 note Copyright ryinx 2023-08-28 01:56:03
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